特定技能「事前ガイダンス」とは|義務の10項目・3時間・確認書(参考様式第5-9号)を運用要領で解説

特定技能1号の受入れでは、在留資格認定証明書(COE)の交付申請前に「事前ガイダンス」を実施し、本人の署名を得た確認書(参考様式第5-9号)を支援を行う事務所に備えて置く必要があります。この記事では、運用要領に基づいて説明すべき10項目、3時間の目安、実施方法、確認書、よくある不備を整理します。

事前ガイダンスとは

特定技能基準省令第3条第1項第1号イに定められた義務的支援で、特定技能雇用契約の内容、日本で行うことができる活動、上陸・在留の条件などを、COE交付申請前(在留中の人は在留資格変更申請前)に本人へ情報提供するものです。労働条件の説明を含むため、雇用契約の締結前に行うことが望ましいとされています。

説明が義務の10項目

項目ポイント
1. 業務内容・報酬額その他の労働条件雇用条件書の内容を労働基準法第15条に基づき説明。危険有害業務に従事する場合は安全衛生の事項も
2. 日本で行うことができる活動特定技能1号の活動であること、技能水準が認められた業務区分に従事すること
3. 入国の手続きCOEの送付→大使館・領事館で査証申請→交付日から3か月以内に入国。在留中は変更許可(在留カード受領)まで新しい就労先で働けない
4. 保証金・違約金契約の禁止本人・配偶者・親族等が保証金を徴収されず、違約金契約を結んでいないこと、今後も結ばないことを確認
5. 外国の機関に支払った費用支払いの有無、機関名、年月日、金額、内訳を本人が理解し合意していることを確認
6. 支援費用の本人負担なし義務的支援の費用は所属機関等が負担し、直接・間接に本人へ負担させない
7. 空港・港での出迎えと送迎事業所または住居までの送迎を行うこと
8. 住居確保の支援内容社宅等の広さ、家賃など本人が負担する金額
9. 相談・苦情の申出を受ける体制曜日・時間帯・方法(面談・電話・メール等)
10. 支援担当者の氏名・連絡先メールアドレス等

任意的支援として、入国時の気候・服装、持参すべき物・持参してはならない物、入国後当面必要な金額、会社から支給される物(作業着等)の情報提供も推奨されています。

時間・方法・言語

  • 時間:十分に理解できるまで。目安として3時間程度。技能実習生等を同一機関で引き続き雇用する場合も、1時間に満たないと適切とはいえません。
  • 方法:対面、またはテレビ電話装置・インターネットのビデオ通話など。本人確認を行ったうえで実施。文書の郵送や電子メールのみは不可。
  • 言語:本人が十分に理解することができる言語。
  • 転職時:別の所属機関に移る場合も再実施が必要。

確認書(参考様式第5-9号)

実施後、事前ガイダンスの確認書を本人に示して確認のうえ署名を得ます。署名を得た確認書は、支援を行う事務所に備えて置きます(入管庁の支援計画書の記載要領)。実施日時・方法、所属機関(登録支援機関)名、説明者名、10項目のチェック、本人の署名が揃っているか確認しましょう。

よくある不備

送出機関に丸投げ

送出機関への委託は排除されませんが、送出機関が保証金を徴収しているような場合は支援体制の基準を満たさないと判断されるおそれがあります。

費用の確認漏れ

送出機関等への支払額と内訳を本人が理解・合意していることの確認は必須項目です。記入表を使って記録を残しましょう。

メールで資料を送っただけ

対面またはビデオ通話が必要です。本人確認と質疑応答の記録を残します。

労働条件の説明が雇用条件書の読み上げだけ

控除の内訳と手取りの目安まで示すと、入国後の「話が違う」を防げます。

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出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」別冊(令和7年4月1日一部改正)「(1) 事前ガイダンスの提供」、特定技能基準省令第3条・第4条、上陸基準省令。